「お前んとこの北関東営業所、水質試験所持ってるじゃん。ちょっと見せて欲しいんだよ。いや、参考にしたい点があってさ。今時は工程管理の方にもうるさくてさ、資料作らせてるんだけど、アセスメントのデータとかも。まあ、サニーリングの得意分野だろうから。見学に行かせてもらえる?」
もちろん、戸塚は返事など待っていない。川西は許諾するしかないのだ。
「また、連絡する。悪いな、いつも面倒なこと頼んじゃって。人間ってのは自分勝手な生き物なんだよ。諦めろ」
見学だけで済むわけがない。当然、「面倒なこと」に繋がるのだ。〈非〉人間であることをバラされたくなけりゃ、諦めろ、戸塚の電話の最後は大体この脅しで終わった。