茂野の書架の日本文学大系の勇姿を眺めていた。まあ、気持ちの問題で、べつに必要ないんだけどね、と笑っていたが、三年ローンだという支払の方を考えると、流石に国語科の教師としての意気込みを感じざるをえない。
「三好かァ」
とか呟きながら、人差し指で弾いてみる。ポンといい音がする。
「安吾だよ…」
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茂野の書架の日本文学大系の勇姿を眺めていた。まあ、気持ちの問題で、べつに必要ないんだけどね、と笑っていたが、三年ローンだという支払の方を考えると、流石に国語科の教師としての意気込みを感じざるをえない。
「三好かァ」
とか呟きながら、人差し指で弾いてみる。ポンといい音がする。
「安吾だよ…」